天気 「お昼には 気温も高く 春めいて」
今日は昨夜行われた世界フィギュアスケート選手権2017の女子ショートプログラムのレビューを書きます。まずは28番滑走、日本の樋口新葉(わかば)選手16歳。最初に2(ダブル)アクセル、その後に魅せるステップシークエンス、で3(トリプル)ルッツと3トゥループのコンビネーションジャンプ、3フリップ。終わった途端またガッツポーズをするのかと思ったらコーチの指示通り高ぶる気持ちを抑えていました。得点は65.87、まずまずですね。次は24番滑走、日本の三原舞依選手17歳。3ルッツと3トゥループのコンビネーションジャンプ、綺麗なスピンをはさんで2アクセル、最後は3フリップで終わるところが考えすぎて跳び急いだ結果2フリップになって転倒した状態で終わってしまったそうです。可哀想に泣きそうになっていました。得点は減点1取られて59.59でした。
一人飛ばして次は26番滑走、カナダのケイトリン・オズモンド選手21歳。シャンソンに合わせてもう乗りに乗った3フリップと3トゥループのコンビネーションジャンプ、そして3ルッツ、余裕しゃくしゃくの2アクセル。終わった途端、会場からは拍手喝采。2014年以来の出場で、今回はプログラムの出来が良かったみたいで、加点も多いし、得点が75.98ですごく満足げでした。次は27番滑走、韓国のチェ・ダビン選手17歳。普通はシーズン中は同じプログラムで滑るのですが、今年はシーズン半ばでプログラムを変更したそうです。とても上品で静かなスケーティングでした。ジャンプは3ルッツと3トゥループのコンビネーションジャンプ、3フリップ、終盤に曲が変わって明るいステップシークエンスの後に2アクセル。得点は62.66でした。次は28番滑走、アメリカのカレン・チェン選手17歳。最初のまだ静止状態の演技がまるでパントマイムを見ている様でした。3ルッツと3トゥループのコンビネーションジャンプ、3ループ、2アクセル、このプログラムは自作だそうです。衣装も変わっていて、指先に向かって羽が生えている様な衣装で、まるで白鳥の様…。得点は69.98でした。
2人飛ばして次は31番滑走、カザフスタンのエリザベート・トゥルシンバエワ選手17歳。曲は2012-2013年に浅田真央選手がショートプログラムで使っていた「アイ・ガット・リズム」振付師が違うせいか全く印象の違う演技でした。3ルッツ3トゥループのコンビネーションジャンプ、で次のスピンがえらく長かったです。長い方が良いのかなあ。3ループ、2アクセルとノーミスだったからでしょうか、羽生選手のコーチでもあるブライアン・オーサーコーチも喜んでいるし、キス&クライで隣に座っていたよく似た女性はお母さんでしょうか、メチャクチャ喜んでいてエリザベートの方がはしゃぎ過ぎを注意していたみたい。得点は65.48、あんなに喜んでいたからもっとあるのかと思っていました。ああ、でも先日の四大陸選手権で出した自己新記録に近い得点だったからかもしれませんね。さて次の最終グループまでの間に8番滑走、イタリアのカロリーナ・コストナー選手30歳の演技を見ました。滑走順は世界ランキング1位から6位が最終グループ、7位から12位が第5グループ、13位から18位が第4グループと、そのグループ内で各々くじ引きをして決めていきます。ソチオリンピックで銅メダルを取ったコストナー選手が何故8番滑走になったか。実は2014年4月から2015年12月いっぱいまで出場停止処分を受けていたからです。2012年に彼氏のドーピング検査回避の幇助をしたとかで。彼氏かあ、微妙ですねえ。久しぶりに見るコストナー選手は痩せたのか顔がもうおばちゃん化していました。曲は喜多郎の「雷神」、初めて聞きました。ほとんど打楽器ばかりで、3トゥループと3トゥループのコンビネーションジャンプは良いけどその後の3フリップや2アクセルのタイミングが取りにくそうでした。そのせいか着地が不安定で難しそう…。バタフライから入るスピンが出来なくて失敗に終わりました。それでも得点は66.33。イタリアにはコストナーに次ぐ若手はなかなか育たないのかなあ。頑張れ、30歳。
さて、最終グループです。32番滑走、ロシアのエフゲニア・メドベデワ選手17歳。出て来ただけで手拍子と大歓声。昨季の世界女王の登場です。スピンからステップシークエンスへと始まる珍しいプログラムです。ジャンプは全て1.1倍になる後半へ。しかも片手上げ。3フリップ3トゥループのコンビネーションジャンプでは、フリップが片手上げでトゥループは両手を上げてジャンプしていました。とても綺麗で素晴らしいジャンプでした。3ループ、2アクセルと跳んでスピンで終わりました。終わったら満足げに首を縦に振っていました。が、得点が79.01とわかるとちょっとガッカリしていました。技術点が40点以上もあるのにまだ欲があるとは…。インタビューではすごい低い声でした。男みたいな…。最後の「ありがとうございます」は日本語で言ってくれました。この選手はセーラームーンが大好きで、それで親日家になったというわけです。次は33番滑走、カナダのガブリエル・デールマン選手19歳。この人も羽生選手と同じブライアン・オーサーコーチの門下生です。化粧が怖かったです。でも、最初の3フリップと3トゥループのコンビネーションジャンプでは出来栄え点が満点だそうです。すごいですね。確かに高いジャンプでした。3ルッツもすごいスピードで跳んで来るし、2アクセルも跳んで、終わったら笑顔でガッツポーズをしていました。得点は72.19でした。次は34番滑走、アメリカのアシュリー・ワグナー選手25歳。3フリップ3トゥループのコンビネーションジャンプ、3ループ、2アクセルと、何かすごいです。まるでクラブで踊っているみたいな感覚です。キス&クライではテーブルに飾ってあるマグカップで遊んでいました。得点は69.04でした。一応笑顔を浮かべていましたが、本心はどうでしょうか。
後はラスト3人です。まずは35番滑走、ロシアのマリア・ソツコワ選手16歳。3ルッツ3トゥループのコンビネーションジャンプ、次にステップシークエンスですが、これが長い。飽きてしまいました。次のジャンプ、3フリップで前につんのめっていましたが大丈夫でした。そして2アクセル。ロシアは今タケノコ状態なのでたくさんの選手がいますが、ジュニアからシニアに上がったばかりでもう代表の座を勝ち取ったのはすごいです。得点は69.76でした。次は36番滑走、日本の本郷理華選手20歳。3度目の世界選手権です。おそらく宮原知子選手の代理なのでこの位置からの滑走順になったのだと思います。まずは3フリップ、危なかったけど何とか決まりました。3トゥループ3トゥループのコンビネーションジャンプはビデオ判定になり回転不足を取られましたが、後半のジャンプなので1.1倍になるから得点はどうなるかわかりません。そして2アクセル。全体的にキレのある演技でした。大分国際試合に慣れて来たのかもしれません。終わって満足げな笑顔を浮かべていました。ようやく大柄な体型がリンクで伸び伸びと滑って映える様になりました。得点は62.55でした。インタビューでは、ジャンプ以外は表現したいものが表現出来たので楽しんで演技が出来たと答えていました。次は37番最終滑走者、ロシアのアンナ・ポゴリラヤ選手18歳。3ルッツ3トゥループのコンビネーションジャンプはビデオ判定に。3ループ、2アクセル。最初から何かスピードが速いです。ステップシークエンスから曲調が明るくなってレイバックスピンで終わりましたが、何かいまいち精鋭に欠けると言うか、ノーミスなのによくわかりません。まだ18だと言うのに色気があります。得点71.52を見て笑顔が消えました。
以上です。ショートプログラムが終わった段階での順位は、1位エフゲニア・メドベデワ選手、2位ケイトリン・オズモンド選手、3位ガブリエル・デールマン選手、4位アンナ・ポゴリラヤ選手、5位カレン・チェン選手、6位マリア・ソツコワ選手、7位アシュリー・ワグナー選手、8位カロリーナ・コストナー選手、9位樋口新葉選手、10位エリザベート・トゥルシンバエワ選手、11位チェ・ダビン選手、12位本郷理華選手、ちなみに三原舞依選手は15位でした。皆さん、お疲れ様でした。( ^-^)_旦~