天気「満開の桜で想ふ歳月を」
約1年前、この部屋の窓から見渡す限りの満開の桜を目にして即決したのです、引っ越しを。信じられないでしょうが本当です。すでに発病していたのでしょう、不眠状態が幾日も続きあの家で生活し続けるのはもう限界だったのです。だから主人に頭を下げて、子供が転校しなくてすむ範囲でこっそり引っ越し先を探していたら…この部屋に遭遇しちゃった。すぐに契約書を交わし、荷物を運び終えてからやっと病院へ行って薬をもらい……それから半年間、食べてる時以外はずーっと眠り続けていた。気が付いたらもう秋で、嘘みたいな感じだった。居間にも子供部屋にも大きなテレビが1台ずつ有って、子供部屋の灯なんか今風の天井にくっつけるタイプで、キッチンには電子レンジやダイニングテーブルがドーンと置いてあって…今までずーっと薄暗い家で和風の暮らし方をしていたもんだからおったまげたの何のって…。「いったいどうなってるの?」と聞くと、返ってきた答えが「お前が良いんじゃない? て言ったから買ったんだ。その時お前も見て知ってるじゃないか!!」って___(‘.’)エートォ…言われてみればそうだった様なそうじゃない様な…つまりよく覚えていないんだな、これが。まあ、それからは本当に大変でした。貯金は使い果たしているし、主人は苦手な食事の用意に心底参っているし(何せレパートリーがカレーと缶詰とお総菜”レンジでチン”のみだから)、勝手がわかんないから自分の家っていう感じがしないのに、とにかく早く主婦に復帰しなくてはと焦ってばかり。洗濯してはヘトヘト、献立考えてはヘトヘト、ご飯作ってはヘトヘト、後片づけしてはヘトヘト、たまった領収書の整理をしてはヘトヘト、てな感じで1日に何回昼寝した事やら……あっという間の1年でした。「時は金なり」って言うじゃない? それって本当ね。1年の中の前半の記憶がないもんだから、何か半分損した様な気分です。