天気 「天気良し ただ風だけが メチャ寒く」
さて、今日は世界フィギュアスケート選手権男子ショートプログラムの続きを書きます。昨日書いた通り、見たい選手だけピックアップして書きます。ではまず26番滑走、中国のボーヤン・ジン選手19歳。曲はスパイダーマン。シーズンの終わりになってようやくプログラムが自分のものになったみたい。身体の中から自然と湧き出てくる笑顔、そして客席に向かって見えない糸を放っての観客へのサービス精神に余裕が見られました。スピード感があってノーミスで、最初の4(クワド)ルッツ3(トリプル)トゥループのコンビネーションジャンプだけでもかなりの高得点なので、得点は98.64でした。
次は28番滑走、アメリカのネイサン・チェン選手17歳。これが初めての世界選手権です。得意のバレエ曲で、この選手も4ルッツ3トゥループのコンビネーションジャンプで最初から高得点をはじき出し4フリップと来て、苦手なイーグルからの3アクセルで転倒。出来栄え点で-3点に。これが成功していたら技術点でボーヤン・ジン選手の上に行ったはず、残念でした。と言うわけで得点は減点1.00ありの97.33でした。
さて、ついにやって来ました。31番滑走、日本の羽生結弦(ゆづる)選手22歳。最初の4ループは最高でした。もう完全に自分のものになったと思います。問題は次の4サルコウ3トゥループのコンビネーションジャンプですね。こないだの四大陸選手権でもこのコンビネーションジャンプでミスをしたので、今度は練習を積んで来ただろうにそれでも4サルコウが上手くいかなかったせいで片膝を着いてしまい慌てて2(ダブル)トゥループを付けたのですが、間が有り過ぎてコンビネーションとは認められず、折角跳んだ2トゥループは0点になってしまいました。しかも、GOE(出来栄え点)は-4。でも、本人は手応えバッチリという顔で自信満々でお辞儀をしていました。相変わらずリンク内には花束やぬいぐるみがたくさん投げ入れられていました。中には1m近くはあろうかというプーさんのぬいぐるみも。得点は減点1.00で98.39でした。技術点も52.04で、ボーヤン・ジン選手にもネイサン・チェン選手にも及びませんでした。会場と一体化した演技だったので、その得点を見て観客はざわめいていました。減点1.00は転倒による減点ではなく(転倒はしていないので)、演技開始時間の遅れによるものでした。名前をコールされてから30秒以内に演技をしなければならなかったのに、3秒遅れたせいでした。もしノーミスだったらと思うと残念でなりません。
次は32番滑走、日本の宇野昌磨選手19歳。まずは4フリップ、そして4トゥループ3トゥループのコンビネーションジャンプ、3アクセルと全てがパーフェクトでした。曲に合わせて手がキチッキチッとしていてキレの良い演技でした。最後は目が回っているのではないかという程のスピンで終わりました。皆、大物になってくると外国人のコーチに変わったりしますが、宇野選手はずーっと樋口美穂子コーチ一筋です。よほど相性が良いのか、キス&クライでもお辞儀のタイミングが一緒だったりしてます。昨年までは子供っぽさが目立っていたので気にも留めずにいましたが、今年の宇野選手はドーンと男らしい雰囲気になったので、コーチは女性ファンから恨まれるかも。得点は何と104.86でした。そのうち技術点は59.16、この点数を超える人がいるでしょうか。
次は34番滑走、スペインのハビエル・フェルナンデス選手25歳。2015年と2016年の世界チャンピオンです。今年も羽生選手に金メダルを取られない様3連場を狙っています。以前、ブライアン・オーサーコーチが「ハビエルは天才肌であまり練習はしない。弓弦は物凄く練習する。そんな弓弦を見てハビエルは練習をするようになった」とか何とか言ってました。ジャンプは4トゥループ3トゥループのコンビネーションジャンプ、余裕の4サルコウ、高い3アクセル。スペイン人ならではのフラメンコです。よく最初だけ演技してという選手が多い中、最初から最後までフラメンコに徹していました。素晴らしかったです。技術点60.79は宇野選手を超えました。勿論、得点も109.05と王者の風格を見せつけてくれました。インタビューでは、「羽生選手のベストにはかないませんでした。ちょっとしたミスがスピンであったので、中心がずれてしまったのです。それでもレベル4は取れましたし…」と応えていました。何か、羽生選手は風が吹くと飛んで行ってしまいそうな存在になったみたいです。今日のフリーを見るのが怖いです。
話は変わりますが、今日は歯医者さんの日でした。ギリギリまでこれを書いていたので、遅刻するかと焦ってしまいました。間に合って良かったです。それでは、今からテレビで女子フリーを見ながらご飯の用意をしたいと思います。
<追記> 録画してあった女子フリーを見ようと思ったら、ちょうどテレビで世界選手権が始まる時間だったので、テレビの方を見ました。女子はやっぱり残念な結果になりましたね。でも、本郷理華選手の「リバーダンス」が見られて良かったです。
男子の方は最終グループだけ見ました。今日も羽生選手が最終グループの一番最初でした。今日は減点にならない様、名前をコールされる前にリンクへ出て行きました。そして、始まると何もかもどころか、これまで出来なかった4サルコウ3トゥループのコンビネーションジャンプまでも完璧でした。そして技術点がどんどん加算されていって、とうとう技術点は126.12に。演技構成点も97.08でフリーだけの合計は223.20と自ら持つ世界歴代最高得点を更新しました。そしてショートプログラムとフリーの合計得点は321.59と、うつ気味だった私が一気にハイテンションになりました。
次のネイサン・チェン選手は羽生選手に勝とうとしたのか、4回転ジャンプを急遽予定より一つ増やしたみたいですが、2回転倒して残念でした。4回転の数も大事ですが質も良くないとね。出来栄え点があれもこれもマイナスになっていましたよ。次は中国のボーヤン・ジン選手、プログラム通り滑りパーフェクトの演技でした。途中コミカルな場面があって、かつての織田信成君を思い出しました。技術点は118.94演技構成点は86.00でフリーの得点は204.94、トータルで303.58でした。
一人飛ばして、宇野昌磨選手も3ルッツでミスってしまいましたが、ほぼこのプログラムは完成させたみたいです。技術点がどんどん上がっていくので、もしかして羽生選手を超えるのではないかと段々不安になってきました。結果、技術点120.03演技構成点94.42でフリーの得点は214.45、トータルで319.31と何と羽生選手とは2.28差でした。危なかったあ。心臓に悪いです。
次、最終滑走者ハビエル・フェルナンデス選手、全然駄目じゃん。転倒してからジャンプの着氷が上手くいかず…。いっつもそう、羽生選手が調子良いとフェルナンデス選手が調子悪くなるし、フェルナンデス選手が調子良いと羽生選手が調子悪くなる。昨日のショートプログラムのあのオーラはどこへ消えたのでしょうか。終わったら「んーん」という感じでした。技術点98.62演技構成点94.52、減点が1.00でフリーは192.14、ショートプログラムとの合計得点は301.19でした。と言うわけで、結果4位に終わりました。観客はその得点を見てガッカリしていました。
ちなみに1位はギリギリ羽生選手、2位は宇野昌磨選手、3位はボーヤン・ジン選手でした。以上で世界選手権のレビューは終わります。また来シーズンまでさようなら~。