天気「晴れもせず雨も降らずは吾同じ」
私には何時の頃からか、『鉄のものさし』が心の中に在った。おそらく中学時代に形成されたものだと思う。何故なら、高校へ入学した時には既にそれらしきものを持っていたから…。そして何時も決心しなければならない時は、誰に相談する事も無くその『鉄のものさし』に従って決め、行動してきた。そうでもしなければ生きては来れなかったのだ。結婚して3年目に夫から離婚を持ち出された時もそうだった。回避する為にはどうしたら良いか…? 「仕事を辞めて家事と育児に専念し夫が何処へ行こうとも付いて行けば良い!!」そう決めて大阪へ行った。昨今は共働き夫婦が普通なのだろうが、我が家に、我が夫にそれは通用しない。彼は口は優しく「良いよ、良いよ。お前の好きな様にしたら…」と言うが、鵜呑みにして好きな様にしたらとんでもない結果を招く。何故なら彼は男尊女卑の持ち主だから。ところが私の『鉄のものさし』には、男女を区別する目盛りが無い。彼は子供の受験する学校にもランクを付け「キリの学校を受けるぐらいなら中卒で新聞配達でもしろ」と言う。もちろん本音は子供にはっぱをかけているだけである。でも私の『鉄のものさし』はこう言う。「ピンだろうがキリだろうが、それが我が子の能力ならば仕方が無いだろう。分不相応は不幸の元になる」と…。そして、口論が始まった。発病した時、一度は折れた私の『鉄のものさし』も最近は症状が安定してきたせいか、ようやく復活してきた。その私の『鉄のものさし』を昨夜、夫は長い口論のすえ消滅させてしまった。私は空っぽになってしまった……。この先、どうやって生きて行けば良いのかも判らなくなった…。1/4世紀を共に歩んできた私の『鉄のものさし』。これ無くして人生を生きるは、コンパス無しで雪山登山するも同然だーーー。