天気 「今日もまた 曇りのち晴れ いと寒し」
お約束通り今日は世界フィギュア選手権の女子フリーのレビューを書きたいと思います。まあ、書くと言っても全員書いていたらいつまで経っても終わらないので私の独断と偏見で気になる選手だけを書く予定です。悪しからず。
では第3グループ5番滑走、ショートプログラム8位の宮原知子選手から。衣装を新しくしたのでしょうか。パパがしきりに「肋骨が見えている」とうるさかったです。今シーズンは背中一面肌を見せている衣装も着ていましたから、それに比べるとまだマシですね。曲のイメージから黒い表地にチラホラと見える真っ赤な裏地が印象的でした。ケガから復帰して来てから宮原選手は変わりましたね。お化粧も上手になったし、それまでは無表情だったのに今は表情豊かになって、今日は曲のイメージからか妖艶な顔つきでした。ジャンプは後半の3(トリプル)フリップ2(ダブル)トゥループ2ループの三連続ジャンプでお手付きをして出来栄え点がマイナスになった程度でしょうか。スピンもステップシークエンスも全てレベル4でした。終わったら片手でガッツポーズをしていましたが、こんな感情をあらわにする事さえケガをする前はありませんでしたから、氷上で練習出来なかった時に物凄い色んな事を学んだんだなと思いました。良いこっちゃ。フリーの得点は145.35(技術点75.18演技構成点70.17)で、ショートプログラムとの合計は215.95でした。
次は6番滑走、ショートプログラム7位の紀平梨花選手。今シーズン、シニアデビューをして早速グランプリファイナルと四大陸選手権で優勝した選手です。個人的には平昌オリンピックの金メダリスト、アリーナ・ザギトワ選手と良い勝負をするのではと踏んでいましたが、ふたを開けてみたら全く足下にも及びませんでした。女子初の3アクセル3トゥループのコンビネーションジャンプを今回も成功させたのですが、その次の単発の3アクセルで転倒してしまいました。もし転倒していなかったとしても優勝は無理でした。誰が優勝したかは後で書きますが。フリーの得点は152.59(技術点82.63演技構成点70.96減点1.00)で、ショートプログラムとの合計は223.49でした。技術点は誰にも負けてはいなかったのに残念です。
ここからは最終グループになります。まず1番滑走、ショートプログラム4位のエフゲニア・メドベージェワ選手(ロシア)。どのジャンプも美しいし、スピンもステップシークエンスも全てレベル4でした。唯一の失敗は最後のジャンプです。2アクセルジャンプが回転不足ととられたのかな。出来栄え点がマイナスでした。とにかく今日のメドベージェワ選手は怖い顔をしていました。コーチが変わったせいか、雰囲気がガラッと変わって大人になったみたい。終わったとたん、物凄い形相でこぶしを上げて吠えていました。キス&クライでは新しいコーチのブライアン・オーサーコーチとニコニコ談笑していましたが。フリーの得点は149.57(技術点76.60演技構成点72.97)で、ショートプログラムとの合計は223.80でした。それを見たメドベージェワ選手、びっくりして「うっそー」ってな感じで手で顔を覆っていました。
次は4番滑走、ショートプログラム2位の坂本花織選手。冒頭は3フリップ3トゥループのコンビネーションジャンプで壁ぎわで着氷して危なかったあ。スピン、そしてステップとは気付かないほど滑らかだったステップシークエンスも全てレベル4で、ジャンプも次々と成功させて最後から2つ目のコンビネーションジャンプが単独の1(シングル)フリップになってしまって、出来栄え点はマイナスに。会場が頑張れの手拍子を贈って最後のジャンプ、3ループに2トゥループを付けてコンビネーションジャンプにしました。これを「リカバリー」と言います。当然ですが、パーフェクトを目指していたらしく、終わったとたん残念で悔しくて今にも泣きそうな顔をしていました。客席からは応援の日の丸が揺れていました。フリーの得点は145.97(技術点72.71演技構成点73.26)で、ショートプログラムとの合計は222.83でした。
次は5番滑走、ショートプログラム1位のアリーナ・ザギトワ選手(ロシア)。よく聴く曲だと思ったら、オペラの「カルメン」でした。後半は根性で滑っていたと思います。後半最初のコンビネーションジャンプ、3ルッツ3ループで何とかこらえた、という所だけかな。引っ掛かったのは。後はよく跳んだし、スピンもステップシークエンスも全てレベル4だったし、終わった途端嬉し涙でいっぱいでした。まるでもう優勝したみたいに。フリーの得点は155.42(技術点81.16演技構成点74.26)で、ショートプログラムとの合計は237.50でした。
最後6番滑走、ショートプログラム3位のエリザヴェート・トゥルシンバエワ選手(カザフスタン)。同じ国通しという事で、昨年亡くなったデニス・テン選手にはとても可愛がられたそうです。彼に捧げる為に今シーズンは4(クワド)サルコウジャンプに挑んでいるのかもしれません。今回はそれが天に通じたのか、世界でシニア女子初のジャンプとして認められました。パパは何度も何度も「初という所がすごい」と言って興奮していました。会場全体も「ウォー」とまるでうなり声みたいな音がしました。根性で跳んで勢い過ぎたのを抑えて着氷したので出来栄え点はマイナスでしたが、「4サルコウ」というのは認められました。他には2アクセル3トゥループのコンビネーションジャンプが単独の2アクセルになってしまいました。ま、公式戦でシニアで女子で初というのが何とも良いですね。他は目をつむってね。フリーの得点は148.80(技術点78.97演技構成点69.83)で、ショートプログラムとの合計は224.76でした。この選手が表彰台に乗るとは正直びっくりしました。競馬でいうと「大穴」ですねw。
以上で世界フィギュアスケート選手権2019女子シングルのレビューを終わります。結果はアリーナ・ザギトワ選手が金、エリザヴェート・トゥルシンバエワ選手が銀、エフゲニア・メドベージェワ選手が銅で、紀平梨花選手は4位、坂本花織選手は5位、宮原知子選手が6位でした。お疲れ様でした。( ^-^)_旦~